離婚・家族問題
- 相手から、突然、離婚したいと言われたが、相手が離婚に応じてくれない。
- 価値観が合わないので、離婚したいが、離婚できるのか。
- 相手から暴力を受けているが、子供を連れて、離婚したいが、どうしたらよいか。
- 離婚したいが、相談していることを、相手に知られたくない。
- 相手が不倫をした上、離婚したいと言っているが、相手が不倫した場合でも、離婚は認められてしまうのか。
- 相手が不倫をしていたら、必ず離婚できるのか。
- 相手が不倫したことを認めないが、離婚できるのか。
- 不倫があったというためには、どの程度証拠を集めなければならないのか。
- 離婚したいが、離婚すると生活できないので、離婚に踏み切れない。
生活費
- 相手と別居しているが、生活費をもらいたい/生活費を請求されたが、どうしたらいいか。
- 相手と別居中で、生活費を払うつもりはあるが、いくら払えばいいかわからない。
財産分与
- 離婚するに際して、分けなければいけない財産は何があるのか。
- 相手は退職前だが、(もらえるであろう)退職金は分けてもらえるのか。
- これまで相手がかけ続けていた生命保険はどうなるのか。
- 離婚に際して、財産はどう分けたらよいか。決まりはあるのか。
- 財産の分け方について、納得ができない。どうしたらよいか。
- 住宅ローンが残っているが、離婚したら、このローンはどうなるのか。誰が払うのか。
- 年金はどうなるのか。
損害賠償
- 相手に慰謝料を請求したいが、請求できるのか。
- 相手に慰謝料を請求する場合、どのくらいの金額が適正なのか。
- 相手から慰謝料を請求されているが、慰謝料を払わなければならないのか。
親権・監護権
- 子供をどちらが育てるかで話し合いが進まない。
- 親権者として子供を育てたい。
- 相手が勝手に子供を連れて行ってしまったので、子供を連れ戻したい。
- 子供の親権をめぐって意見が対立しているが、一般的に、親権者はどのように定められるのか。
養育費
- 子供には養育費を払うつもりはあるが、いくら払えばよいかわからない。
面会交流
- 離婚した後、子供に会えるのか。どのくらいの頻度で会えるのか。
- 相手から子供に会いたいと言われたが、子供だけで会わせたくない。
- 相手が子供を連れ去る恐れがあるので、相手の自宅で会わせたくないが、どうしたらよいか。

解決への流れ
1 はじめに
大きく,①交渉(裁判所外での話し合い)→②調停(裁判所にて行う話し合い)→③裁判(訴訟,審判)という流れがあります。
2 段階
(1)交渉について
交渉は,後述の調停と異なって,裁判所の手続きを利用しないで行われる当事者間での話し合いです。
まずは,この方法によることが最も多く,相手にとっても穏便な方法といえます。
(2)調停について
調停は,交渉による話し合いがうまく進められないときに,裁判所の手続きを利用して,話し合いによる解決を模索するために行われます。
この点,調停は,後述の裁判とは異なり,話合いを行い,両当事者が合意すること解決を図る手続です。
先述の交渉と異なるのは,①裁判所を利用するか否かという点,②調停事件においては,調停委員会が,当事者双方の意見を聴き,間に入って,調整をします。
直接のやり取りにおいては,感情的になりやすい事例においては,調停委員会が間に入ることで,双方の意見やそれぞれの事情を把握することができます。
調停は,当事者間の話し合いの手続きのため,双方で合意ができれば,調停は成立します。
これに対して,双方が合意できなければ,調停は成立せず,不成立となります。事件によっては,調停に代わる審判などがなされます。
(3)裁判(判決,審判)について
調停が成立しなかった場合,事件の事柄によって,訴訟手続,または,審判手続等の手続きに進みます。
これらの事件については,裁判所が最終的に判断し,事件は終了します。
3 最後に
これらの手続きの内容や,どの手続きをどの程度まで行うのかなどについては,事前に,ご説明と弁護士の見通しをお伝えいたします。
婚約破棄と慰謝料について
1 主な争点
①婚約の成否、②婚約の不当破棄か否か、③損害及びその額となります。
2 裁判例
③に関する裁判例としては以下のものがあります。
東京地方裁判所判決/平成17年(ワ)第7659号
原告は、勤務先に被告との婚約を報告し、婚約解消により、勤務先で気まずい思いをせざるを得ず、これにより精神的苦痛を被ったことが認められる。
被告は、婚約解消の後、原告に対し、婚約解消の理由を明確に説明していないが、このような対応は、誠実さを欠くものといわれてもやむを得ないとして、原告に対する慰謝料は30万円と判断した。
東京地方裁判所判決/平成26年(ワ)第18223号
原告は、被告から中絶を求められた際、自殺を図り、中絶後、過呼吸で救急搬送された。
原告は、このような中絶に至る一連の経過により、多大な精神的苦痛を被った。
他方で、中絶に伴う苦痛や負担は、男女の共同行為の結果である。
原告も、婚姻に向け、被告に迷いがあると感じていたとすれば、妊娠しても不安定な立場に置かれる可能性があることを、全く意識しなかったとは考えにくい。
しかし、被告の責任が重大であり、被告の賠償すべき範囲は、8割を下らないとして、原告の精神的苦痛を慰謝するための慰謝料は、160万円と判断した。
東京地方裁判所判決/平成21年(ワ)第13083号、平成21年(ワ)第23052号
婚約、結婚式及び被告が新居のカギを郵送した各期間、原・被告の同居期間の短さ、被告が原告との本件婚姻や内縁関係を破棄するに至った原因が、事前に認識し得なかった性関係の不一致が少なからぬ原因となっていること等を考慮すると、本件での原告の慰謝料額としては70万円と判断した。
東京地方裁判所判決/平成17年(ワ)第23434号
原告と被告との婚約関係は、性格や生活スタイルの違いなどから少しずつすれ違いが生じていき、通常の婚約者同士としての付き合いも弱くなっていって、同居を始めた後には、婚約を維持できないほどに破綻し、最終的に婚約は解消された。
原告は、被告との婚約関係の破綻の原因は、被告とAとの不貞行為にあると主張するが、その頃には既に原告と被告との関係が相当程度破綻していた。
もっとも、被告は原告との関係を維持できないと思うようになった以後も、そのことをはっきりと伝えず、原告に期待を持たせるような言動を取りつつ、曖昧な態度のまま同居期間を長引かせて、原告を不安定な状況に置いていたことや、原告との関係を清算しないままAとの交際を始めており、これも原告との破綻を加速させる一因になったとうかがえることなどに照らせば、婚約解消の主たる原因は被告にある。
もともと婚約というのは現実に婚姻に至るまでには不安定な要素を含むものであること等を考慮して、精神的損害としては80万円と判断した。
東京地方裁判所判決/平成17年(ワ)第5098号
被告から結婚を申し込まれ、被告との結婚生活を夢見て準備を重ねてきたが、被告に、他に女性がおり、その女性が妊娠していたと知り、そのために被告の他に頼る人物のいない地方で体調を崩し、また、被告と被告の父がその女性と面会するために外出し、1人取り残された原告の悲痛、最終的には母親に付き添われて地元に戻った原告の心痛を考慮し、その精神的苦痛に対する慰謝としては250万円と判断した。
東京地方裁判所判決/平成17年(ワ)第18514号
原告は、被告の婚約破棄によって極めて大きな精神的苦痛を被ったから、慰謝料金額としては3000万円が相当であると主張したが、被告が賠償すべき損害の範囲は、婚約破棄によって一般的に通常生じると考えられる程度の精神的苦痛にとどまるとして、慰謝料を70万円と判断した。
東京地方裁判所判決/平成17年(ワ)第25213号
婚約に至る経緯、婚約後の状況(中絶手術をしたこと、婚約破棄後に原告が体調を崩したこと、また原告は新たな住居を必要とし、さらに家具等の購入も必要になったこと、原告には求職が必要なこと)等を考慮し、慰謝料として120万円と判断した。
東京地方裁判所判決/平成15年(ワ)第25673号
原告と被告との間の婚約は、被告が一方的に破棄したことにより解消された。
被告が原告に支払うべき慰謝料は、100万円と判断した。
氏の変更
1 条文
氏の変更の要件のうち、戸籍法107条第1項には、「やむを得ない場合」、同法107条の2には「正当な事由」が規定されております。
2 「やむを得ない事由」等の解釈
一般に、氏の変更の必要性(社会的不利益の除去)、婚氏続称を必要とした事情の消滅等の申立人側の事情と、恣意的申立てでないこと、社会的弊害がないこと等の呼称秩序の維持の2つの観点から、個々の事案ごとに具体的に検討するようです。
3 「やむを得ない事由」等の解釈に関する裁判例
名古屋高等裁判所決定/平成6年(ラ)第222号
氏の変更について、戸籍法107条1項所定の「やむを得ない事由」の存否を判断するにあたっては、それが婚姻前の氏への変更である場合には、民法が離婚復氏を原則としていること(民法767条1項)などに鑑み、一般の氏の変更の場合よりもある程度要件を緩和して解釈することが許されるものと解するのが相当である。
広島高等裁判所決定/昭和61年(ラ)第61号
戸籍法107条1項にいう「やむを得ない事由」とは、人の氏姓についての通称に対する愛着や個人的に秘匿を欲するというような主観的事情があるだけでは足りず、呼称秩序の安定性の要請という社会秩序的観点からの客観的な合理的必要性がある事由を意味するが、この要件は、名の変更の場合(同法107条の2の「正当な事由」)よりも一層厳しい要件である。
しかし、離婚に際し、婚姻中の氏(以下、婚氏ともいう)を届けたときであつても、その呼称が社会生活上未だ定着していないような場合には、民法767条1項の規定の趣旨を考慮する。
この「やむを得ない事由」の解釈にあたつては、他の場合と比較し、個人の意思を重視するという意味で、よりゆるやかに解釈することが許され、したがつて、その氏の変更に合理的な必要性がたとえ乏しくても、離婚に際し戸籍法77条の2の規定により行つた婚氏継続の届出が本人の不本意な意思によるものであり、かつ、その使用の期間及び範囲が比較的短小で社会的に未だ定着せず、復氏について社会的呼称秩序の弊害がほとんどないような特段の事情があるときは、「やむを得ない事由」があるものと解するのが相当である。
札幌家庭裁判所審判/昭和61年(家)第231号
民法は、婚姻により改氏した配偶者は離婚により婚姻前の氏に復するものとし、離婚復氏を原則としていることから、離婚に際し婚姻中の氏を選択したかかる配偶者から、婚姻前の氏に変更したい旨の氏の変更許可の申立てがなされた場合には、戸籍法107条1項に規定する「やむを得ない事由」の判断にあたつても、離婚復氏を実現するための氏の変更であることを考慮して、一般の氏の変更の場合よりある程度要件を緩和して解釈することが許されるものと解するのが相当である。
婚姻が二度に亘り、いずれの婚姻においても改氏した配偶者についても、わが民法は最初の離婚に際し婚姻前の氏に復し、二度目の離婚に際しても婚姻前の氏に復することにより、二度目の離婚に際しそも最初の婚姻前の氏に復することを原則としている。
かかる配偶者から、最初の離婚に際し婚氏を選択したため、二度目の離婚に際してはもはや民法767条によつては最初の婚姻前の氏に復することができないことから、戸籍法107条1項により最初の婚姻前の氏に復するための氏の変更許可の申立てがなされた場合にも、前同様に、上記条項の適用にあたり一般の氏の変更の場合と異る緩やかな解釈をすることが許されるものと解するのが相当である。
最初の離婚に際し選択した婚氏が、最初の離婚後の氏として社会的に定着したとは未だ認め難い期間内に二度目の婚姻が成立し、かつ、二度目の離婚後の氏も、社会的に定着したとは未だ認め難い期間内に最初の婚姻前の氏に復するための氏の変更が求められた場合であつて、その変更が特に申立人の恣意によるとか、変更により社会的弊害が生じるとかの特段の事情がない限り、かかる氏の変更は許可して差支えない。
仙台家庭裁判所石巻支部審判/平成4年(家)第513号
人の氏は、生来の氏が本来的なものであり、離婚後、婚氏を称することは例外的なことに属するから、たとえ、婚氏が社会的に定着していると考えられる場合においても、婚氏を称することに耐えられなくなったときは、債権者の追及を逃れるなど不当な目的があるとか、何度も氏を変更することになるなど、社会的に弊害を生ぜしめる事情がない限り、戸籍法107条1項所定の「やむを得ない事由」に該当すると解するのが相当である。
宮崎家庭裁判所審判/平成8年(家)第2285号
氏変更の目的が不法なものでないことはもちろん、単に心情的に氏に改めて心機一転したいとか、前科を隠したい等という申立人の主観的理由によって氏変更を求めるのではなく、客観的に現在の氏による社会生活上の現実の支障や不利益があり、氏変更の必要があると認められる場合であって、加えて、氏を変更することが当該人物の更生に必要と認められる事情がある場合には、戸籍法にいうやむを得ない事由に該当すると解される。
4 具体的事例に関する裁判例(一部、上記裁判例も含む。)
札幌家庭裁判所審判/昭和61年(家)第231号
①最初の離婚の約2年半後に、二度目の婚姻関係に入つている、
②この二度目の婚姻関係の氏使用の期間から、最初の離婚後の氏(婚氏)が社会的に定着していたとは未だ認め難い、
③二度目の離婚後の氏も、(二度目の)離婚後、約1年3か月を経過して本件氏の変更許可の申立てがなされている、という事案について、
この期間及びこの間の上記氏使用の実態からすると、二度目の離婚後の氏も未だ社会的に定着したとは到底認め難い。
変更を求める理由においても、申立人の法律知識に錯誤があつたとはいえ、申立人の恣意が働いているとは認められない。
変更による社会的弊害の生じるおそれも認め難い。
と述べ、本件の変更は、戸籍法107条1項の「やむを得ない事由]があるとした。
千葉家庭裁判所審判/平成11年(家)第945号
①離婚により、生来の氏である「甲」姓となったが、その後、再婚し、「乙」姓になり、離婚した、
②離婚に際して「乙」姓を称することを届け出た後、再度、再婚し、「丙」姓になり、再度、離婚した際は、「乙」姓に復氏した、
③そののち、「甲」姓への変更を求めた、という事案において、
申立人が「甲」姓の変更許可を求める動機や事情には汲むべきものがあり、本件申立てが濫用にわたるものとはいえないし、また、申立人の氏が「甲」姓に変更されることに特に弊害があるとは認められない。
と述べ、変更を許可した。
大阪家庭裁判所審判/平成8年(家)第574号、平成8年(家)第575号
近親者から性的虐待を受けたことによる精神的外傷の後遺症からの脱却を目的とする事案において、
氏名の変更によってその状態から脱却できるかについて疑念が残らないでもない。
しかし、戸籍上の氏名の使用を申立人に強制することは、申立人の社会生活上も支障を来し、社会的に見ても不当である。
と述べ、
戸籍法107条1項の「やむを得ない事由」があるものと認めるのが相当であり、また名の変更についても、単なる好悪感情ではなく上記のような事由に基づくものであること及びその使用年数等を併せ考えると、同法107条の2の「正当な事由」があるとした。
宮崎家庭裁判所審判/平成8年(家)第2285号
暴力団幹部を務め、その氏が元暴力団として周知されている、社会生活上現実の支障が生じていると認められる事案において、
前科を隠すとか、気分一新したいというようなものではないこと、暴力団関係者との関わりを持つ契機となる現実の危険を除去するために氏を変更したいとするもので、その意図は真摯なもの、更生意欲の現れ、今後暴力団関係者からの不当な関わりを断って正業に勤しむために、氏変更の必要も認められる
と述べ、その氏を変更するやむを得ない事由があるとした。
東京高等裁判所決定/平成26年(ラ)第1866号
離婚後15年以上、婚姻中の氏である「乙」姓を称してきた事案において、
その「乙」姓は社会的に定着しているものと認められる。
しかし、離婚に際して離婚の際に称していた氏である「乙」姓の続称を選択したのは、当時9歳であった長男が学生であったためであり、長男は、大学を卒業した。
抗告人は、抗告人の婚姻前の氏である「甲」姓の両親と同居し、その後、9年にわたり、両親とともに、「甲」姓の屋号で近所付き合いをしてきた。
抗告人には、妹が2人いるが、両親と同居している抗告人が、両親を継ぐものと認識されている。
長男は、抗告人が氏を「甲」姓に変更することについて同意している。
と述べ、戸籍法107条1項の「やむを得ない事由」があるものとした。
山形家庭裁判所審判/平成元年(家)第181号
婚姻に際し氏を改めた者が離婚に際し旧姓に復することは法の建前であって、戸籍法77条の2の届出により婚氏を継続使用することは、あくまでも例外である。
申立人が婚氏を継続するに至った事情が申立人の法の無知によるものであるが、申立人が自己の意思により婚氏を継続することができるのであるならば、同じく自己の意思により旧姓に復することもできると思ったことも、必ずしも責められるべきでもない。
さらに離婚後の不測の事態、申立人が急拠両親の世話をし、祭祀を承継すべき立場になったのであり、このことにつき祭祀承継者は必ずしも氏を同一にする者にはかぎらないわけではあるが、旧来の地域の習慣や本人らの心情の上からどうしても氏を同じくする者が先祖の祭祀を承継すべきであるという事情もあながち軽視できない。
としたうえで、
社会的あるいは申立人の営業上の対第三者関係をみても、申立人の氏を変更することで特別不都合が起こる虞れもない。
本件申立ての動機も前歴の隠蔽とか借金の踏み倒し等不当なものではない。
と述べ、氏の変更が氏というものの呼称上の法秩序の維持と倒人の自由意思の尊重との調和の観点から判断されなければならないとしても、本件の氏の変更は後者を優先させて差し支えない場合にあたり、戸籍法107条1項の「やむを得ない事由」があるとした。
佐賀家庭裁判所審判/昭和61年(家)第384号
申立人において婚姻前の氏「甲」姓に復したいとの心情は理解できないこともないが、申立人は再婚して以来、婚姻中約20年間「乙」姓を称しており、離婚後も婚氏である「乙」姓を継続し、5年間経過している事案において、
申立人の氏としては「乙」姓が社会的にも定着していると解されること、
祭具等の継承者となるためには必ずしも被祭祀者と同一氏でなければならないとはいえない。
と述べ、戸籍法107条1項にいう「やむを得ない事由」があるとは認められないとした。
